renueが「施工管理AI」を提供開始 現場の状況から工期への影響をAIが判定し、工程表を組み直す

renueが「施工管理AI」を提供開始 現場の状況から工期への影響をAIが判定し、工程表を組み直す
renueが「施工管理AI」を提供開始 現場の状況から工期への影響をAIが判定し、工程表を組み直す

設計変更や遅れを受けて、AIが工程表を組み直す

株式会社renue(本社:東京都港区、代表取締役:山本 悠介)は、「施工管理AI」の提供を開始しました。対象は、建設工事の作業所で働く現場監督者と工事担当者です。工事の実績、設計変更、協力会社の空きといった建設現場の状況をもとに、AIが工期への影響を判定し、工程表を組み直します。発注者から設計変更が届いた場合も、工期と費用への影響を判定し、その変更を差し込んだ工程表を組み直します。

判断の基準として使うのは、導入時にrenueが作業所で聞き取る現場監督者と職長の判断の理由と、協力会社や発注者の事情です。費用や完了時期、候補となる工程表の評価は、自社の基準とデータに沿って計算されます。計算の根拠は画面に残るため、現場監督者は中身を確かめてから判断できます。発注者のデベロッパーにとっては、工期を調整する案が早く固まり、工期の相談が根拠つきで届くようになります。

renueが「施工管理AI」を提供開始 現場の状況から工期への影響をAIが判定し、工程表を組み直す

開発の背景:担い手不足と時間外労働の上限

建設業では担い手が減り続け、高齢化も進んでいます。工程を組む技術者も、求人に対して人が足りない状態が続いています。2024年4月からは、建設業にも時間外労働の上限が適用されています。現場を閉める日を確保しながら工期を守るには、工程を組み直す判断を速くする必要があります。また、少ない人数で現場を回す体制づくりも求められています。

工程の遅れは日々起きています。職人の不足、元請と現場の情報連携の不足、発注者からの設計変更が重なると、遅れは工期終盤の専門工事に寄ります。遅れを取り戻す判断が遅いほど、内装や設備の工事が詰め込まれます。これまでは課題もありました。設計変更を受けるかどうかの判断理由は、多くの場合、現場監督者の頭の中にしかありませんでした。工程表の組み替えも、発注者・販売や協力会社の事情を知る特定の担当者に集まり、その人が不在だと判断が止まっていました。組み替え後の調整も、工程表とは別に担当者の記憶と電話やメールで進んでいたといいます。本サービスは、建設現場の状況から工期への影響を早く判定し、組み替えを根拠つきで出すために開発されました。現場監督者と職長の判断を作業所の基準として残し、担当者が代わっても同じ根拠で判断できる状態をつくるとしています。

設計変更の台帳
設計変更の台帳

主な機能

作業の実績の取り込み、設計変更の影響判定、工程表の組み替えを、1つの流れで支援します。主な機能は次のとおりです。

  • 設計変更の影響判定:台帳から依頼を選んで「判断する」を押すと、判定が順に進みます。似た過去の変更の抽出、基準単価の算出、判断基準の適用、費用の積み上げ、負荷の山積み、完了時期と受けるかどうかの回答です。結果は「受ける」「条件つきで受ける」「見送る」の3段階で示されます。
  • 費用の内訳と「要確認」:費用は、資材費、工種ごとの作業時間×単価、段取り、応援の協力会社に分けて示されます。単価が古い応援や、職長の空きが足りない工種には「要確認」が付きます。使った判断基準は出典付きで一覧になり、担当者は補正の値を直して再計算できます。
  • 文章による組み替えの指示:たとえば「利益が最大になるように組み替えて。モデルルーム住戸の期限は動かさない。2期販売住戸は半月なら待ってくれる」のように書きます。AIはこれを工程の制約に直します。候補の工程表は、粗利、期限の遅れ、班の稼働率、職長と班が担当できる工事で評価されます。
  • 理由の説明とタスク作成:組み替えの前後は、粗利、期限を守れる工区の数、稼働率の平均、超過の時間で比較できます。あわせて、発注者に出す工期の相談資料や職長会で周知する割り付けなどのタスクを、期限と根拠付きで作ります。根拠にない内容には「分かりません」と答えるように作られています。
  • CSVでの連携:組み替えた工程表は、工区・工種・担当・開始・終了の列を持つCSVで工程表ソフトへ戻せます。今の工程表ソフトや現場アプリを置き換えずに導入できます。

組み替えた結果は、縦に工区、横に週を並べた工程表で示され、協力会社の班ごとの表示にも切り替えられます。期限を動かせない事情がある区画は、指示がなくても動かしません。

工種ごとの月別の作業時間と、回せる時間に対する割合(変更依頼を重ねた状態)
工種ごとの月別の作業時間と、回せる時間に対する割合(変更依頼を重ねた状態)

導入の進め方と今後の展開

導入時は、renueの担当者が作業所に入って聞き取りを行います。現場監督者には、過去の設計変更を条件つきで受けた理由と、工期の相談に回した理由を聞きます。工務の担当者には、動かせない工程と、その日がどこに書いてあるかを聞きます。職長には、班の組み合わせと、年度末など人の手配が難しくなる時期を聞きます。工種ごとの人工の実績も聞き取り、工程表ソフトのデータに足します。集めた判断の理由と条件は、出典を付けて判断基準として整理します。そのうえで、設計変更の影響判定から工程表の組み替えまでの流れを、3か月で作業所に合わせて構築します。

中期的には、作業所ごとに判断基準を更新し続ける運用を支援する方針です。実績の時間が計画より多い状態が続いた工種には、基準の見直しを促す知らせを出します。また、発注者のデベロッパーに向けて、施工会社から届く工期の相談を読み解く画面も検討しています。

出典:株式会社renue